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「副委員長は2人だった。」
「あ、そうなんだ。」
梶くんが無表情に言い、私に向き直る。
「だって。よろしく。」
そう言われて、私は微笑んで
「よろしく。」
と答えた。
「じゃ、2人も前出てきてー。梶、書記決まるまで黒板に書くのやって。」
「おお。」
梶くんと一緒に前に出て、黒板の前に立つ。梶くんがチョークをもって
ー副委員長
と書いた後、私に小声で
「ごめん。名前、教えて。」
と囁いた。
「八重樫あやめ。あ、漢字ややこしいから、自分で書くよ。」
「良かった。今ちょうど、分かんねーと思った。」
梶くんが笑いながらチョークを私に渡す。
ー八重樫
と書いて、梶くんの名前も書こうと彼を見上げた。
「梶くんは、どんな漢字?」
「ん?かじ、の漢字?」
ダジャレ?と思って笑ってしまう。
「そう、梶くんの漢字。」
「木へんに、尾っぽの尾。」
「りょーかい。」
ー梶
自分の名前の隣に書くと、
「あ、いや・・。」
と梶くんが言うので
「あれ?間違えた!?」
と慌てると
「んー・・、いや、間違っては、ない。」
と梶くんが答える。
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