7-5.服

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7-5.服

 その日の夜、蓮くんと夕食の後片づけをしていると、 「あやめちゃん、桂と風呂入るんだよね?」 と聞かれた。 「うん。約束した。」 「じゃ、もう入れてやって。ここ俺一人で大丈夫だから。」 「そう?ありがとう。」 「風呂からあがったらさ、英語教えて。俺ももうすぐ期末テストだから。」 「うん。いいよ。」  家に帰ってからも、次から次にやることがあるのが新鮮だった。お店を手伝っている梶くんとはあまり話せないけれど、同じ家の中にいるというだけで胸のあたりが暖かい。それに明日からも学校への行き帰りは一緒だ。楽しみで、楽しみで、楽しみでしかなかった。 「桂くん、お風呂入ろう。」 「あやめちゃんのせっけんつかっていい?」 「いいよー。」  桂くんが走ってお風呂場に向かう。 「あ、待って、待って!私2階から着替え持ってこないと。」 私の言葉を聞かずに、桂くんが脱衣所で服を脱ぎだす。  さすがにお風呂場で1人にするのは危ないよね・・・。 どうしようとオロオロしていると、お店からリビングに向かおうとする梶くんが通りかかった。
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