7-5.服

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「あやめ、風呂?」 「うん。着替え取りに行く前に桂くんが脱ぎだしちゃって。」 「ん?じゃ、そこに置いてあるやつ着ていいよ。洗濯済みだからキレイ。」 洗濯機の隣の棚に、タオルと並んで畳んで重ねてあるジャージとTシャツを指さして梶くんが言った。  ”彼シャツ”という言葉がよみがえり、ドクンとする。 梶くんか、京くんに、ちょっと桂くんを見ててもらって、その間に着替えを取りに行けばいいのだけど、  梶くんの服・・・借りたい という下心が頭をもたげ 「・・・ありがとう、そうさせてもらうね。」 と言って、脱衣所の扉を閉めた。  お風呂に入っている間 「いいにおい~、いいにおい~、あやめ~ちゃぁんの、せっけん!」 という桂くん自作の鼻歌を聞きながら、私は頭の中で  着ちゃうよ~、着ちゃうよ~、梶く~んの、ジャージ! と鼻歌を歌っていた。
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