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「あやめ、風呂?」
「うん。着替え取りに行く前に桂くんが脱ぎだしちゃって。」
「ん?じゃ、そこに置いてあるやつ着ていいよ。洗濯済みだからキレイ。」
洗濯機の隣の棚に、タオルと並んで畳んで重ねてあるジャージとTシャツを指さして梶くんが言った。
”彼シャツ”という言葉がよみがえり、ドクンとする。
梶くんか、京くんに、ちょっと桂くんを見ててもらって、その間に着替えを取りに行けばいいのだけど、
梶くんの服・・・借りたい
という下心が頭をもたげ
「・・・ありがとう、そうさせてもらうね。」
と言って、脱衣所の扉を閉めた。
お風呂に入っている間
「いいにおい~、いいにおい~、あやめ~ちゃぁんの、せっけん!」
という桂くん自作の鼻歌を聞きながら、私は頭の中で
着ちゃうよ~、着ちゃうよ~、梶く~んの、ジャージ!
と鼻歌を歌っていた。
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