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お風呂を済ませた蓮くんとリビングで英語の勉強をしていると、桂くんが寄ってきて
「けい、いいにおいでしょ~。」
と蓮くんに自慢した。蓮くんが桂くんの頭をクンクンと嗅いで
「うん。あやめちゃんの匂い。」
と微笑む。そして
「俺もあやめちゃんの匂いする。」
と自分のTシャツの襟元を鼻まで持ち上げてクンクンと嗅いだ。
「れんも、あやめちゃんのせっけんつかったの?」
「ううん。この服、あやめちゃんが一回着たから匂いが残ってる。めっちゃいい匂い。」
桂くんも蓮くんをクンクンと嗅ぎ
「ほんとだー。いいにおい。」
と笑っている。
「ごめん、匂いうつっちゃったんだ。」
申し訳なくて謝ると
「ううん。いい匂いだから大丈夫。」
と蓮くんが微笑んでくれた。
そこへ梶くんが
「風呂空いてる?」
と顔を出した。
「今、京が入ってるよ。店はもう終わり?」
「うん。俺は終わり。」
梶くんがのそのそとリビングを通りすぎてキッチンに行き、冷蔵庫から麦茶を出してコップに注ぐ。
「かじー。けい、いいにおいでしょ。」
すぐに自慢しに行った桂くんを目だけで見下ろしながら、梶くんが麦茶を飲み干した。
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