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「んー?風呂入ったから?」
そう言いながら、桂くんの頭をスンスンと嗅ぐと、途端にガバッと姿勢を戻して
「桂、なんでこの匂いすんの?」
とたずねている。
「あやめちゃんのせっけんつかった~。」
桂くんがニコニコしながら両手を飛行機の羽のように広げてくるくる回る。
「れんも、いいにおいするよ~。」
桂くんの言葉を聞いて、梶くんが蓮くんに近寄り、スンスンと嗅ぐ。
「蓮もあやめのシャンプー使ったの?」
「使ってないよ。これは、あやめちゃんの残り香。」
「のこりが?」
「あやめちゃんが風呂上がりにこの服着たから、匂いが残ってる。俺、何回この説明させられんの?」
蓮くんが苦笑し、私も苦笑する。
「あやめの残り香。」
「うん。めっちゃいい匂い。」
そう言いながらテキストに視線を落とす蓮くんの背後に、梶くんが近づく。蓮くんのウエスト辺りに手を伸ばすと、Tシャツの裾を掴んで、バッ、と上に持ち上げた。
「うわっ!何すんだよ!?」
驚く蓮くんに
「脱げっ。」
と梶くんが言う。眉間に皺を寄せて、ひたすら蓮くんのTシャツを上に引っ張っている。
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