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「うん。そうだよ」と返事をする
「…………で、何のようなの…」と冷たい瞳で言われてしまう
(声的には男の子ね……)同世代の女の子とは違う低い声からそう判断した
「あのね、貴方を助けたいの!」と思い切って言ってみる
「お前みたいな、子供に何ができるわけ?お金持ちの道楽?偽善か何かだろう?」と自嘲する様に笑った
「出来ることは少ないかもだけど、自分が助けられる範囲なら、助けたいの!」
「なにそれ…お前何歳?見た目と年齢合わなくない?」と笑われる
「あのねぇ…!」と言い返そうとすると
少年の頭に拳が振り下ろされた。
それはゴッと鈍い音を立て、思わず顔を顰めてしまった
「失礼です!女性の年齢のことを言うのは!」
所謂拳骨をしたのはアリッサだった。
「痛ってぇ…」と少年は頭を抑えた
「あ、アリッサ、大丈夫よ!ね、あと私は、8歳よ!」
「ふぅ〜ん。………俺は15歳…」と少年は年齢を教えてくれた
「えっ!?13歳くらいかと…声変わりしてないのね…」と思わず呟いてしまった
「人が気にしていることをっ!?…っ…」と少年は苦しそうに胸を押さえ始めた
「え?!どうしたの!?」と少年の側にしゃがむと
「の、ろいだよ…ほら…」と言って見せてくれたのは
鍛えられた体の左胸にある黒い印。そこが根本のように体に少しづつ蝕んでいる
「こ、れは…?」と聞いてみると
「だから、呪いだよ…」と苦しみながら教えてくれた
「何故、呪いなんて…」と呟くと
「光魔法の持ち主じゃないと治すことなんてできない。今、光属性を、っ…持っているのは、聖女様くらいだよ…」
(光魔法…光魔法……え?持ってるよね?私…)
「あ、あの!私、持ってるよね…」とおずおずと言ってみる
「え?は?」と少年は驚いていた
***
結果を言うと解呪に成功した
魔力じゃない何かを減らした気がした。
ーー少年もといアランは光魔法は聖力というものを消費したのだと教えてくれた
聖力は魔力と反対な力らしい。高位魔族は魔法は効かないけど聖法は効くらしい
「随分詳しいのね」とこぼすと
「常識だから」と返された
「あ、ところで誰に呪いをかけられたの?覚えはない?」と聞くと
「元雇い主…」とそれ以上は詮索しないで欲しいと言う雰囲気だった
「あ!」ととあることを思いついた
「お嬢様、なにを思いついたんですか…?お嬢様の考えは奇想天外で予想できないんです。せめて相談してください…」とアリッサに言われてしまう
「うん、まぁ。大丈夫よ!」
「まだ、短い時間しか話してないけど、お前の大丈夫は大丈夫ではないと言うことがわかったよ」とアランにも言われる
「まぁ、いいから聞いて!あのねーーーーーー」
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