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鬼ごっこ
「よし、今日はみんなで遊ぶわよっ!」と私は大きな声でそう言った
「いいが、そこの男は誰だ?」とルースウィークもといルークにそう聞かれる
「「「「………」」」」他の皆んなも気になっていると目線で語っていた
「ふふ、彼はね…私の侍従なの!」と自慢げに笑う
「正確には侍従見習いです。“お嬢様”?」
お嬢様という部分に含みを感じる…
「そうか…」とルークは不服そうな様子だった
「ルークもね、魔法が使えるの!だから今日はもう少しすごい鬼ごっこにしましょう!」と提案し、ルールを説明する
今までは結界を壊してタッチすれば鬼交代だったが、今回は将を守るオリジナル鬼ごっこ?だ
二チーム作り、将を決める。そして制限時間以内に将を倒せは勝ちというゲーム
もちろん魔法は有りだ。
思いついた理由は、昨日のことーー
「アラン!貴方に本持ってきたわ!」とアレンに作法の本を持って行った際、思いっきりつまづいたのだ。
「わぁぁ!アラン!」
アランめがけて本が飛んでいったが、なんと本はアランに当たらず跳ね返ったのだ
「え…?今のは…?」
「魔法ですよ。結界のね。物理を跳ね返すやつです」と教えてもらったのだ
これならーー
自分で最高の魔法を消す結界に物理に強い結界を張れば捕まることはないのではないかと…
「よし!アラン!明日は鬼ごっこよ!」
「はぁ?」とアランを困らせたのは昨日のことだ
***
軽くルールを説明し終え、チームのメンバー決め将を誰とするかが決まった
赤チーム
将 アラン
クロエ
ライ
ルチア
青チーム
将 ルースウィーク
レイス
アーノルド
となった
「よーし、始めるよ!」
始まる準備をするがその前に作戦会議をしなくてはいけない
「ねぇねぇ!どうする?」と聞くと
「ルークは味方のふりをして平然とやってくると思うの…だから印をつけましょう?」とクロエに提案される
「いいな!で、じゃなくてルーク対策!だがレイスも何かしらしてくるぞ?」とライに言われる
「そうだね…」
(それにしてもよくライってルークのこと“で”とかいうけどあだ名でんでん虫なのかな?)
「…………あちらは魔法が得意な方が二人、知略が得意な方がいらっしゃいますので、こちらは武に魔法知略ですね…」
(武はライで魔法は私。知略はクロエかな?じゃあ、アランは?)
「クロエ様、少しよろしいでしょうか?」とアランはクロエを呼び、何かを話している様子だった
まるで悪巧みをする官僚のようだったと思ったのは口に出さないほうがいいだろう
怒られるのは目に見えているのだ。
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