謁見と彼らの正体

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謁見と彼らの正体

「ついてきてくれ。」と父に言われ、ついていくとゲームでもよく出てきた王城だった (なんで!?)状況がわからず頭が混乱する 「ねぇ、ルークたち……」と声をかけると平然とした顔で城を歩いていた 「なんだ?ルチア。」と私の表情を不思議そうに見える 「え、ねぇ!ここ王城だよ、…緊張しないの?」 (子供だから怖いもの知らずなのかな)と思う 「いや、別に慣れてるから。」とレイスが平然とした顔で告げる 「え?慣れてるって、記憶ないんじゃ……」 ルーク、ライ、レイス、アーノルド、クロエは記憶が全員ないと言うから我が家で保護されていたのだ (慣れてるって記憶ないならわかんないんじゃ…)と困惑してしまう 考えていると頭がズキッと痛む (あれ、でもルーク達が記憶喪失って言っていた記憶がない…) 記憶がないのに、勝手に記憶喪失だと思っていたことに違和感を覚える 「あぁ、そうか。ごめんな…ルチア」とライに苦笑いされる 「え?うん……」とだけ返事する (何に対しての「ごめん」なの…?) しばらく歩くと、父は「ここだよ。」と言って豪華な扉の前で止まる (これって、ゲームで出てきた扉……資料集に載ってた謁見室の扉だよね…)顔が青ざめていくのがわかった (なんで!?) 父が衛兵に話しかけ、その衛兵が「エリツィン男爵のおこしです。」と言うと扉がゆっくりと開いた 「ルチア、近くへおいで。」と父に手招きされ、手を握る 「大丈夫?」と心配になり聞くと 「あぁ。大丈夫だよ。」と頭を撫でてくれた 扉が開き、父と一緒に赤い絨毯の弾かれている道を歩く 国王陛下の前まで行き、臣下の礼をとる 「よくきた、エリツィン男爵。」と威厳のある声でそう言われる 「…何様なのでしょうか?国王陛下。」と父は平然とした顔で聞く (え…?そんな態度じゃダメじゃないの!?)と驚いてしまう 「ははは、貴様は貴族になっても変わらんな。」と国王は笑った 「っ!?!?」 「あぁ、ごめんね。ルチア。実は国王とは知り合いなんだ。命の恩人だからこんな態度でもいいんだよ。」と父は笑った 「余の前で言うことか?お前は…まぁ、実際命の恩人であるからな…」 「早く要件を終わらせてくれないか?今日は妻の手料理なんだが…」と恨めしそうに国王を睨む父にハラハラしてしまう 「あぁ、わかった、わかった…レオン達よ来い。」と名を呼ぶ (誰だろう?)と思っていると国王の側へ行ったのはルーク達だった 「え?」と思わず声を上げてしまった
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