謁見と彼らの正体

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「そ、それは風の噂で……」と見るからに汗をダラダラとかく 「確かに、領地の視察を行なっていましたが…行方不明になったことを知っているのはしている者のみ…ですが?」 信用していない者には教えていないそう言う意味を含めてレミーアは言った 「い、いえ、まだ、予定の領地についていないと噂があったんですよ。」 「可笑しいですね」とレイスが言った 口元は笑っているが目は全く笑っていない 「な、何がですか?ロベルト・フェイント殿…」 (レイスがロベルト・フェイント!?なら、宰相子息!?) あの怖い笑みもロベルト・フェイントなら…と納得してしまった ゲームのロベルトはSキャラだったのだ 「どこの領地をどんな順番で行くか通達はしていませんよ?通り過ぎる場合もありますし、」 「い、いえ、予想はできますでしょう?!次はミナルベ辺境伯領かと…」 「いえ、行く予定に一切入っていないことをミナルベ辺境伯は知っていますよ?」 のみに行かない領地は通達しているのだった ちなみにエリツィン領には行かないことが書かれている手紙が届いている グルーガン侯爵には手紙は届いていない 「わ、わかりました、実はエリツィン男爵家が謀反を企んでいることを知り、」 「何を言っているんだ?あのブタは…」と父は哀れなものを見る目で呟いた (聞こえてたらどうするの…?その通りだけど…) 「じ、実は男爵を怪しいと思い、私の手の者に調べさせていたのです!そして皆様方が男爵領を通った時馬車が墜落したのです!それで無事か分からず、行方不明との噂もありましして噂を信じていたのです!」 先ほどの怯えようと違い、侯爵は饒舌に語った (うわぁ…)私は残念なものを見る目で見ていた 何言ってんだ、コイツ。そう思うのは仕方ないと思う 「ふむ、そのことを知っておりながら余には報告しなかったのだな。馬車のことを知ったならすぐ報告するべきではないのか」 疑問形で聞いているが、有無を言わせない国王の雰囲気に侯爵はたじろいだ 「ぶ、無事がわかったら報告したいと思いまして…!!」 「だが、馬車の墜落は知らせるべきだろう?そこにいる男爵が我が子達を保護していてくれたが、侯爵の手の者が保護させることもできただろう」 (あ、もしかしてこの馬車の事故って侯爵が仕組んだことなんじゃ…?陛下はわざとを強調しているようだったし…)
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