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中にいたのは子供達だけのようで魔法を強制解除させたあと父が馬車から助け出した。
出てきたのは幼い子達5人組
「おとうさま、この子達大丈夫ですか?」と聞くと、
「怪我はしていないみたいだけど、頭に衝撃があるかもしれないからわからないね。」と父は考え込んでいた
(この子達、貴族なのかな…?)と思った。何故なら
貴族にしては地味な服装だが、一目でわかる高級な品。
(よくあるヘタな変装の定番だな…)と思った
やるなら完璧でなくては…一つ一つの所作や服の質、髪の色などに気をつけて変装する必要がある
(ヒロインは一応ヒロインらしく、闇以外の全属性使えるしね…)
無魔法で髪や瞳の色を変えることのできる魔法があるらしいので、いざとなったら平民として暮らすのに便利だろう。
そう考えていると父は決意したように
「とりあえず、この子達を屋敷に連れてくよ。医者も呼ばなくちゃね」と言った
子供達が目を覚ましたのは夕方
「っん、……あれ、ここは…。」と波打つ黒髪に新緑のような緑の瞳の少女が一番に目を覚ました
「あ、起きたのね。おはよう?かな」と声をかける
ちょうど額に置いていたタオルを替えるところで部屋にいたのだ
少女は突然声をかけられたことに驚いたようだったが
「どちらさまかしら?ここは?」と問いかけられる
「えっと、ここはサーライス領で、王都から離されてるよ。ここはおとうさま、エリツィン男爵の本邸だよ。」
「そう…」少女の歳には似合わない表情をして考え始めた
(高位貴族の令嬢かな…?所作が綺麗…私と違う…)そう思った
「そう言えば、あなたの名前は?私はね、ルチアっていうの!ルチアって呼んでね」と微笑んでみせる
「ルチア、よろしくね。あと、ごめんなさい…私自分の名前がわからないの…」と困惑した顔で少女はそう言った
「えっ…?」と遂口に出してしまった
「じゃあ、なんて呼べば良いのっ?」と思わず声に出してしまった
少女の方を見ると驚いていた
「え?あ、あぁ。そうね…あなたが考えてちょうだい。」
「そうだね……う〜ん、…………クロエはどうかな?」と考えた名前を出してみる
安直かもしれないが、クロエという名前には新緑、新芽という意味がある。
この少女は新緑のような緑の瞳をしているからクロエがいいかなと思った
「クロエ………素敵な名前。ありがとうルチア」と少女ーークロエはそう微笑んだ
「うん!あ、お父様に起きたこと知らせてくるね!お医者さまも」
父親に目が覚ました報告をするのを忘れており、駆け足で部屋を出る
だから知らなかった。
クロエの呟いた一言に…
「あれは………ヒロインよね」と
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