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路地裏ーースラムらしきとこだった
煌びやかしい表とは違う荒んだ空気の流れる裏
(ここに声の持ち主が…?)と入り口の前で立ち止まっていると
「お嬢様!そこは危険です!」とアリッサに止められる
「あ、アリッサ、ごめんなさい。不思議な声が聞こえてきて、助けを呼んでるの!」
「お嬢様、そこは決して入ってはいけないんです。入ったが一度簡単には抜け出せない。囚われ続ける…お嬢様や旦那様や奥様に助けていただかなければ今の私は…」とアリッサは俯いた
「アリッサ…?」
(もしかしてアリッサはスラム出身だったの?確かに彼女の両親の話は聞いたことがなかったけど…)
「あっ…!すいません、お嬢様…」
「私を心配して言ってくれたんでしょ?大丈夫だよ。それにしても本当にダメ?」と私の言葉にホッとしたような顔をした後青ざめた
「ここは本当に危ないんです…でも、声が聞こえたんですよね?」と聞かれる
「うん、助けてって、キィィンとなった後」
「ふむ…もしかしたらなんですけど、魔力の波長があって聞こえたんではないでしょうか?」とアリッサに言われる
「魔力の波長…?」聞きなれない単語に意味がわからなく聞いてみると
「簡単に言えば魔力の相性がいい人はその人の考えが読めると言うものです。魔力に言葉を乗せて発すれば相性がいい人には届くんですよ。」と説明してくれる
「へぇ…じゃあ、もしかして私と魔力の相性がいい人がここにいるってこ
と?」
「っ…!そうかもしれませんね……そんなに探しに行きたいんですか?」と難しい顔で聞かれる
「うん!相性がいい人なら会ってみたいわ!助けを呼んでいるのだし、危険そうだったら逃げるわ!」とガッツポーズをしてみせる
「お嬢様一人でいかせられませんよ…では、条件です。探すのはいいですけど、体が透明になる魔法を使ってください。そうすれば多少は大丈夫ですから…」と悩んだ末出したであろう条件で行けることになった
「随分湿った空気ね…」と小声でアリッサに話しかける
「えぇ。そんなものですよ。あ、絶対に匂い遮断魔法といちゃダメですよ。本当にすごい匂いなんで!」と人差し指を立てて注意される
だいぶ奥まった場所へ行くと、ついに見つけることができた
「アリッサ、彼?彼女?かわからないけど、あの人!」
アッシュゴールドの伸び切った髪、体はところどころ薄汚れ服もボロボロだ
魔法をそこで解除した
「…わかりました。私の後ろにいてください」とアリッサを先頭にし、近寄っていく
「………」
近寄ってみると、わかったのだがとても綺麗な顔立ちをしていた。
スッと通った鼻筋に少し切長の黄色瞳
わたしたちに気づいたようだが少しも気に留めてなかった
「貴方よね…?助けを求めてたのは…」と思い切って聞いてみると
「聞こえたのか…」と掠れた声で聞かれた
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