あー、あの日の わいの冒険 2年生 その6「読書の秋、発明の秋」

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 「え、わい。怖いんは、ちょっと……」  南向さんは、わいの言葉に意を返さず本をサッと差し出した。わいは、戸惑いながらもしょうがなく受け取った。そこには「怪笑ばなし100」って書かれていた。怪の字も、笑の字も習ってへんけど、読み仮名がふってあるから、読むことができた。そういえば、怖いバケモンが表紙やけど、みんな笑ってるな、どういうこっちゃ? と思って、ページをめくってみる。  「血を吸った呪いか!」というタイトルと、血まみれの手のイラストが目に飛び込んでくる。  ……やっぱり怖いんちゃうん。と、ちょっとビビりながらわいは読み始めた。  「その日は夏の暑い夜であった。墓地の中にはムワッとした異様な空気がただよって、クソッと男は天を見上げた。深夜まで続いた仕事、少しでも帰りをを急いだ男は普段通ることのない近道、薄暗い墓地を突っ切って歩いていたのだった。    『男は血まみれになった手のひらを見て後悔していた。こんな所に来るんじゃなかった。      「まただ…… また、やられたか……   男は静かに天を仰いだ。  「血を吸った、のろい蚊!!」   パチンという叩く音と共に、また男の手は潰した蚊で血に染まった。   血を吸った、のろい蚊……   血を吸ったのろいか……   血を吸った呪いか!!!!」  ………………  …………  ……  プッ! と吹き出した。  「なんやねん、コレ?」  南向さんに聞くと「ピッタリ」という言葉が帰って来た。  まあ、確かにオモロかった。  「悪の十字架」「恐怖の味噌汁」「青い血」「猫の魂」「埋もれる死体」「鏡も血だらけ」「悪魔の人形」、、、 ::::::::::: (みんな全部分かるかな? 答えは次のページコメントにて)
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