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こうして、わいは、うんうん唸って発明で頭を悩ませた。
その間、じっちゃんは、うんうん唸ってダジャレ怪談を考えるのに頭を悩ませた。
ノートと鉛筆持って来て、ノートに何か発明描こうと思ったけど、『何か』ってなると、何を書けばええんやってなって、なーんにも書けんかった。
じっちゃんが、うーん、うーーんと唸る。じっちゃんはダジャレ怪談に染まった。
わいも、真っ白なノート見て、うーん、うーーんと唸った。わいは発明に染まった。
集中したから時間がガンガン進んでいった。
晩飯食った後も、じっちゃんと考えた。
秋やな。こうやって何かに熱中して染まる。これが秋かー。
エジソンは皆んなの困ってる事を解決するためにいろいろ発明したんや。わいもやっぱり役立つもん発明したいなー。わいは、母ちゃんのもとに走った。
「母ちゃん、なんか困った事ない?」
「困った事?」
「うん」
「そうねえ。なっちゃんが宿題をすぐにやらん事かな? それから、なっちゃんが、好き嫌いして、しいたけとか春菊とか食べへん事。あと、なっちゃんが、部屋をなかなか片付けん事とか、なっちゃんがお菓子食べ歩く事、あと、なっちゃんが……」
「もう、ええわ!」
わいは、走って逃げた。姉ちゃんとこ行こ。
「姉ちゃん、何か困った事ない?」
「なんで?」
「わいが、発明で解決したるわ」
「いらんいらん。それよりなっちゃん、読書感想文できたん? 明日提出でしょ」
「ハッ!」
忘れてた! わいは、自分の机の上のランドセルを開けた。
そこから出て来たのは、恐怖の「白紙原稿用紙」と、恐怖の「読書感想文ポイントまとめる下書き用紙」が出て来た。
あーー、まだ、なんも手つけてなかった。
終わらない読書感想文にわいは青くなった。
やばいー、やばいー ( ´Д`)
その時「できたー!」とじっちゃんが叫んで走ってやって来た。
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