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「夏生、できたぞ。傑作や。聞いてくれ。恐怖のダジャレ怪談『やばい、やばいぞなっちゃん』」や」
な、なんやそれ?
「その日、子連れ狼の大五郎は不安に駆られていた。
お腹が…… お腹が……
そう、今まで経験したことのないような腹痛が大五郎を襲って来たのだ。
荷車を押す「ちゃん」を見上げると、なんと、「ちゃん」もお腹を抑え苦しそうにしていた。
ちゃーん。
う、うむ。
『やばい、やばいぞ、なー、ちゃん』
『やばい、やばいぞ、なーちゃん』
『やばい、やばいぞなーちゃん』
『やばい、やばいぞなっちゃん』」
じっちゃんは満足げに言い切って「うまい、座布団1枚」と声を上げた。
「どや?」
「どやちゃうわ。じっちゃん」
「お、また浮かんだぞ」
じっちゃんは、また自慢げに話し始めた。
「大五郎が語りかける。
もう、10時やで、なー、ちゃん。
もう、10時やで、なっちゃん。
怒られるんちゃう、なー、ちゃん。
怒られるんちゃう、なっちゃん。
宿題終わるんかいなー、ちゃん。
宿題終わるんかい? なっちゃん」
「なんやねんそれ、なんでもいけるやん」
「おー、いくらでもできる。これはダジャレ怪談の発明や! じっちゃん発明してもたは、ダジャレ怪談どんどんできる装置。ハハハハハ。あー、すっきり」
「だから、なんでやねん」
じっちゃんは満足したのか自分の部屋に戻っていった。
そしてわいの目の前には白紙の原稿用紙、白紙のポイントまとめる下書き用紙が残された。
わい、この時本気で、自動で読書感想文書いてくれる装置ができ発明されへんかなーって思ったんや。誰か作ってーーーーーー!!!
ハハ、どないしょ読書感想文……
どないしょ、どないしょ、どないしょ、((((;゚Д゚)))))))
わいの頭が「どないしょ」で真っ青に染まった。
どないしょ。
Fin
あ、天の声が聞こえて来た。
「手を動かせって……」
よし、ひとまず何か書こう。
えーと、ある所に、おじいさんと、おばあさんがいました。っと、
…… あかん。これ、感想文ちゃうわ。
ハッ、思いついた。
「あたま、まっ青だけどさ、だいじょうぶ?」や
あるところに、おじいさんと、おばあさんがおりました。今日はいい天気、買っていた猫のタマを連れ出して散歩に出た二人でした。しかし、その日は、散歩の途中で、何かいやーな気がして来たのです。
するとタマが突然走り出して、ある一軒家に入って行ったかと思うと、竿だけの上を歩いて行ったのでした。そして、すぐにヨロっと下に落ちました。
「あ、タマ。ま、さおだけ。ドサっ! だいじょうぶ?」
「あタマ、まっさおだけドサッ だいじょうぶ?」
「あたま、まっさおだけどさ、だいじょうぶ?」
………………
…………
……
「だいじょうぶちゃ----う。 読書感想文おわらーーーーん」
本当のFin
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