ハッピーな中心人物とその歴史

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 そういうエモーショナルの中にいた時期があった。行事ごとの前日、夏祭りの帰り道、明日も祭りは開催されてて、新しいコネクションが開いて、出会ったり近づいて離れた。そういうエモーショナルの中にしばらく住んだ後に、街へ出ていろんなことを思った。人が流れゆく方向に逆らったり流されて止まりながら考えたり、揺られながら思いふけたりした。そうすることで、結局、どうもならなかった。どうということもなかった。なんとも言えなかった。  僕はかつて、いろんなエモーションなシチュエーションにいた。授業の休憩時間に顔を出す子を見たり、ネガティブな発言に募る仲間を見つけたり、敵に回したり、味方につけたりして暮らしていた。そして暗がりになった。たくさんの日陰を重ねて皮膚が焼けるぐらい黒くなった。全ての色彩が反転してしまった。とりあえずそういうことで、徐々に取り戻しつつあるものも、もう違うんだと思う。駄々をこねている場合じゃない。明日とか明後日とかの次元じゃない。
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