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僕はいじめられたり、人気者になったり、失敗したり、成功したこともない。僕は日の目を浴びたり日陰に押し込まれたり身近な人が自殺をしたり大事な人が借金をしていたりした事はない。僕は修羅場を見たり心が曇ったりいつの間にか楽しくなったり、した事がない。僕は悪い事をするつもりでしたり、したことはない。
僕が良心を意識していた頃は小指を角にぶつけた時、バチが当たったと思えていた。僕が良心を意識していた時、友達に謝る事が関係の修復に一番最適だと信じて疑う余地も無かった。僕が良心を持っていた時、怒られたことが身に染みていた。僕が良心を心得ていた時、正義はいつも一択でそれ以外はダメな事だった。僕に愛があった時、5時のチャイムを無視したら罪悪感があった。僕に心があった時、泣いてる人には大丈夫と聞けた。僕が一生懸命だった時、帰り道は達成感があった。僕が真面目だった時、心肺機能を追い込む事が快感だった。僕が真面目だった時、嫌な事がたくさんあった。僕が純真だった時、嫌味が大嫌いだった。僕が幼かった時、柔軟に興味が湧いた。僕が生きていた時は部屋にゴミが無かった。僕が楽しみだったのは空気替えをした部屋の匂いだった。僕が気づかなかった時、いつまでも呑気だった。僕が窓の外を眺めてる時、10分休憩は短かった。僕が帰り道、会話に困らなかったのは何も気にしていなかったから。僕がお腹が空いた時、手の届くとこに美味しいご飯があった。僕が手を合わす時、台所からおしぼりが配られて、僕が眠くなった時、ベッドシーツは柔軟剤の匂いがして、僕が眠りについた時、街中がシンと静まり返って、僕が目を覚ました時、僕が目を覚ます時、カラスが気持ち良く鳴いて、バスが平常運転で校庭は砂埃で体育は3限目だった。
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