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入ってすぐにキッチンと、多分トイレとバスかな?そして奥に広がった部屋にはベッドとテレビが置いてあった。そのキッチンの前に僕の荷物を置くと、その子はそのまま奥に行き、僕をベッドに放った。
思ったよりも強い力に僕はベッドに仰向けに倒れ込む。するとそこにその子が覆いかぶさってきた。
「ホテル代出したら抱けるんだろ?今日泊めてやるから、オレが抱いてもいいよね」
そう言って首筋に唇をあてると、僕の服を脱がしていく。だけど僕はそれに驚いて、思わずその子の肩を押してしまった。
「待って」
僕から引き剥がされて、その子は顔を顰める。拒否されたと思ったのだろう。でも違う。本当に驚いただけだ。
「自分で脱ぐ」
僕はそう言って起き上がると、服を脱ぎ始めた。
だって、あんなこと知らない。
彼とする時はいつも僕は自分で服を脱ぎ、彼の下肢を手や口で育ててからこの身に受け入れていたから。既に昂ったものをいきなり入れられることもあるけど、大抵は僕が彼のものを大きくしてからだった。その方がその間に後孔も解すことが出来て痛みも和らげることができるから、僕もその方が良かった。
僕は服を全て脱ぐとその子のベルトに手をかけた。そしてそれを外すと下着をずらし、その子のものを取り出す。
それはいつもの手順。
なのにその手を掴まれた。
「いいよ、しなくて」
そう言ってそのまま押され、僕はまた仰向けにベッドに転がった。その僕を跨ぐようにして上に来ると、その子はシャツを脱ぐ。
顕になる裸体は、見かけによらず鍛えられていた。
「あんた今まで、どんなエッチしてきたんだよ」
「え?」
「相手を脱がしてその気にさせるのもこっちの楽しみなんだから、それを奪うなよ」
そう言って僕の胸をぐりっと弄る。するとそこから変な感覚が走る。
「今日の宿代は、オレにその身体を好きにさせること。主導権はオレだ。だからあんたは何もするな」
そう言ってぎゅっとそこを強く摘まれる。すると鋭い何かが身体を突き抜け、身体がビクンと跳ねる。
「あぁっ・・・ん」
その時に漏れたその声に、自分でも驚く。
なにこれ、僕の声?
そのあまりにも恥ずかしい声に、僕は口を手で押さえた。なのにその手を外される。
「声がまんするのもダメ。ちゃんと出して」
そう言いながら唇を胸に近づけるとそのままぱくんと胸を食み、ちゅっと吸い上げる。その甘美な音と刺激に身体が震え、小刻みに震える。その感覚が怖くて、僕は両手でシーツを握りしめた。
こんなの知らない。
こんな感覚・・・怖い・・・。
どくどくとありえないくらい心臓が早く鼓動し、身体がかっと熱くなる。このまま死んでしまうのではないかと言うほど壊れたように心臓が脈打ってると言うのに、その子はそのまま胸を舐め、吸い、そして食む。その子の歯の感覚に噛み千切られてしまうのではないかという恐怖と先端を舌で舐められる快感が同時に起こり、僕の思考を混乱させる。その間に身体中を撫で回していた手が下にさがり、僕の下肢を握る。そこは既に猛り濡れていた。
「胸気持ちいい?すごく濡れてる」
ヌルヌルの液を広げるように何度か扱かれただけで、僕のそこはふるふると震えて弾けてしまう。
そのあまりにも強い快楽と激しい快感に頭が着いていかず、僕は自分が果てたことに気づかない。
だっていつも、ここを触られるのは彼が入ってきた後だ。
僕の中に欲望を捩じ込み、さらに締め付けさせるために僕の下肢を握って勃たせ、強制的にイカせるのだ。だからそれは、快楽とは程遠い苦痛の行為。なのに、まだ僕はどこも痛くない・・・。
何が起きてるのか分からない。
息を荒くしながら呆然とする僕の胸から唇を離し、その子は僕を覗き込む。
「すぐイッちゃったね」
そう言ってニヤリと笑うと、僕の耳元にその唇を近付けた。
「いっぱいイっていいよ」
そう直接耳に流し込むと、耳の穴に舌を差し入れる。そのぞわりとする感覚に身体が跳ね、再び身体が熱くなる。
まるでジェットコースターのようだった。
どんどん身体を高ぶらされ、一気にイカされる。激しいその行為に身体は息付く間もなく何度も高められ、精を吐き出す。だけどその手はどれも優しく、痛い行為はひとつもなかった。
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