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「今日はひさびさのオフだし、ずっとくっついてたい」
「っ……」
「俺にだけに集中してろよ」
由夢は、耳が弱い。正しくは星七の声に弱いのだが、それを知ってからは、事あるごとにわざとらしく由夢の耳元で囁くようにしていた。
星七の声で由夢が照れくさそうに視線をそらすと、ピンク色に色づいた唇に自らの唇を重ねる。互いに啄むような口づけを交わしながら、割れ目からぬるりと舌を侵入させると、控えめに蠢く由夢の舌と絡み合った。
「んっ、ふ……」
小動物のようにちろちろと動く舌先は何だかもどかしくて、肉厚な舌で口内を余すことなく探り、もう少しで喉に届きそうなほど深く差し込んでいく。その勢いに負けて由夢の体が傾くと、その体を支えながらゆっくりとベッドへ押し倒した。
――やばい。ずっとキスしてたい。気持ち良すぎんだろ、これ……。
由夢の体をベッドに沈み込ませてもなお、止まることなくキスを注ぐ。由夢も必死にキスに応えてくれるものの、やや息苦しいのか頬が赤く染まっていった。
酔っぱらって無理やり抱いた前科があり、できるだけ優しく抱きたいという気持ちはあるのに。今自分の腕の中で、苦し気な顔で必死に舌を絡ませている姿がいたく愛おしくて、つい本能のままに襲いたくなってしまう。
――このまま由夢も俺とのキスに溺れて、俺だけのことしか考えられなくなればいいのに。
そう願いながら、大好きな幼馴染の唇に深く深く口づけた。
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