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――まったく、何が「どうせなら」よ……。年頃の男女が同じマンションに住むほうが心配じゃないの? 普通は。
むろん、二人の間に男女関係は一ミリも存在しないので、両親も心配のしようがない。
さらに星七に「何かあった時のために」と言いくるめられ、合鍵を交換し合ったのが最後。暇を見つけては由夢の部屋に入り浸るようになってしまったのだ。
はじめはドアガードをかけて抵抗していたが、開けるまでチャイムを鳴らし鬼電をやめてくれないので早々に諦めた。いくらオートロック付きのマンションとはいえ、さすがに寝るときはかけているけれど。
しかしながら、腐れ縁のせいなのか星七のことを嫌いにはなれないので、多少しつこくされても突き放すことはできなかった。
「ていうか、またそのゲームかよ。自分で作ったゲームでニヤニヤするってやばいぞ」
「違います~これはデバッグです! 今日は在宅だったからまだ仕事中なの」
言いながら、持っているスマートフォンが社内用端末であることを見せつける。先ほどまで「ルーカス様の唇……」と、うっとりしていた由夢だが、これでも一応仕事中。ちょうど今は配信前のゲームシナリオをアプリ上で最終チェックをしていた。
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