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本棚に追加「でも、玻名城さんに会えて嬉しいです。ずっとお会いしてみたかったんですよ」
「えっ、あ、はい。私もです……」
「思った通り可愛らしい方でした」
社交辞令のはずなのに、桃原からはやや意味深な雰囲気を感じられ、戸惑いを覚える。
そうこう話しているうちに、もう一度入口から誰かが入ってくる音が聞こえ、その場にいた全員が視線を向けた。
「あ……」
大きめのチェスターコートに、厚みのあるニットを着こみ、綺麗めなカジュアルなコーディネートで洒落こんだ星七がそこには立っていた。トレードマークのグレーアッシュの髪色は、やや色が落ちて黄色みがかっている。ここしばらくは忙しくて顔を見ていなかったこともあり、何だか別人のようにも思えた。
星七は先に荷物を置いたあとで戻ってくると、スタッフと挨拶を交わしていく。担当者から紹介を受けた由夢たちは、ひとまず星七の前に向かい合った。
「AMMYの泊です。本日はよろしくお願いいたします」
泊が切り出し、すぐに由夢に託される。一応今日は仕事でもあるので、星七とは初対面ということにしようと、事前に打ち合わせ済みだった。
「……プロットを担当しました玻名城です。これ、よかったら」
「こちらこそよろしくお願いいたします。お気遣い、ありがとうございます」
事前に用意した差し入れを星七に手渡す。中身は甘いものが苦手な星七が唯一好んで食べる和菓子。もちろん選んだのは由夢だ。
手渡す際に、指先がちょんと触れる。たったそれだけで、由夢は胸がドキッと跳ね上がった。
――ダメだ、緊張してる。今日は仕事だからしっかりしないと。

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