「キスできないって言ったじゃん」

4/4
前へ
/4ページ
次へ
 式は予想以上にスムーズに進んでいった。しかし私は知っている。 「誓いのキスを」  ここだ。予想通り、今までが嘘みたいに式が止まる。  ガッチガチに緊張して動けない彼を前にして、私は隠し持っていた真っ赤なリップを取り出し、唇を赤く染めて── 「誓ってあげる。いつまでも青いあんたは私好みの赤葉(あか)に染めてやるわ」  こうしてこの日、私は真っ赤なファーストキスで(赤葉)を染めたのでした。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加