白い点の存在

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 杉山君と緊張しながら何気ない話をして、とてもおいしい和食料理を食べた。食事が終わると杉山君は私の瞳をじっと見て意を決したように声を出した。 「朝倉さん、僕と付き合ってください!」  私は激しく動揺した。杉山君が冗談を言っているわけではないのは表情からわかった。でも、気になることがあった。 「もっと若い人がいいんじゃない? 杉山君が若い女性社員と話してる所を見たよ」  杉山君が決まりが悪いように照れながら話した。 「見られていたんですね。あれは朝倉さんを誘うならどんなお店がいいか聞いていたんです。和食料理が好きだと聞いてこのお店にしました」  内心ほっとする自分と男性に好かれたことがない人生から不安になる自分がいた。 「本当に私なんかでいいの?」 「黙々と頑張る朝倉さんがいいんです。朝倉さんじゃなきゃダメなんです!」  杉山君は間髪入れずに答えた。その言葉で私の黒い心は織物のような綺麗な純白に染まった。瞳から涙が溢れるのを手で抑えようとしても止まらなかった。次から次に涙が溢れた。手も顔も涙でくしゃくしゃになった。  私は何度も頷いて、消え入るような涙声でよろしくお願いしますと言った。前を見ると杉山君が瞳から大粒の涙を流していた。二人して涙を流して馬鹿じゃないかと思って笑うと杉山君も笑っていた。  これから二人で幸せな道を歩んでいこうと誓った。
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