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諒太さんの2つの大きな手のひらに私の頬がつつまれている。
逃げられない、
いや逃げたい訳じゃないけど、気持ちがいっぱいいっぱいになってきて、すこし休まさせてほしくなる。
はぁと息を吐こうとした瞬間、熱い舌が入ってくる。
全て奪われそうだった。
彼について行くので必死だった。
彼の唇が額、鼻先、頬に触れ、さらに少しずつ降りていく。
首すじを唇でなぞられると、体に電気がはしる。
彼の手のひらも一緒に降りていく。
私の感情や感覚までいっしょに初めて降りる深いところまで降りて行く。
彼の大きな手と唇がそのまま私の全身くまなく触れていく。
はじめてのことですごく恥ずかしいのに、
どうしたらいいのかわからず、
逃げられず、
もう彼に従うしかなかった。
痛かったらごめんね
の声を聞いたあと、ほんと言葉の通り痛かったけど、
ありえないぐらい幸せな気持ちになった。
奪われたのではなく、すごく大きなものを与えられたのだと全身で感じた。
気がついたら、眠ってしまっていたらしい。
あたたかいものに包まれる夢を見た、気がする。
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