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玄関のドアを開けたとき、飛び出してきたのはイケメン幼稚園児と私が心の中で呼んでいる翔太くん。『諒太来たな~』と飛び出してきた。
相変わらずのイケメン幼稚園児だな~と思って見ていたら、
「諒太って呼ばない!おじさんと呼びなさい~!」と祥子さんが追いかけてきた。
「あらぁ~美琴ちゃん、あと鈴音ちゃん、だったよね?いらっしゃい。待っていたのよ」
と急に声が高くなる祥子さん。相変わらずユニークな人。
その後ろからはわが社の飯島社長と諒ちゃんの妹の結子さん、さらにその後ろには諒ちゃんによく似たダンディな人。一目で諒ちゃんのお父さんだとわかった。
「よく来たね~楽しみにしていたよ。」
声まで諒ちゃんに似てる~
諒ちゃんのお父さまはふんぞり返る社長と言ったところはどこにもなく、私にまで丁寧に話してくださる素敵な人だった。ちょっと感動した。こういう人の息子だから諒ちゃんもあたたかい人なんだろうな。
諒ちゃんのお母さまは急な呼び出しが入り、仕事に行ってしまったらしい。終わり次第帰ってくるとのことだった。諒ちゃんの前情報から厳しい人だと思っていたのでちょっとほっとする。
私たち2人は立派なソファのある部屋に通された。なんとなく私と鈴音の距離がいつもより近いのはお互いにすこしびくびくしているから。彼氏の家族に会う、しかもそれが社長さんだなんて誰だって怖いはず。
緊張しながら手土産の羊羹と焼き菓子を差し出した。
このお菓子、好きなのよ、とニコニコする祥子さん。
このお菓子のことを話し続ける祥子さんを、『すこしは黙りなさい』と諒ちゃんのお父さんのイケボが止めた。
「ぜひ佐藤さんとお話をしたいと思っていたので、今日は嬉しいです」
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