おまけのはなし③

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話がしたいってな、何を…?とどきどきする。 私たちは諒ちゃんのお父様に聞かれるままに今までの我が家のことを話した。 もしかして『そんな家柄の娘とは…』となるのでは?と緊張したが、それは杞憂に終わった。 「美琴ちゃん、鈴音ちゃん、名前で呼んでもいいかな?」 「あ、はい。」 「2人の話を聞いて、昔のことを思い出したよ。僕もはやくに両親を亡くして年の離れた兄と親戚に育てられたようなものだったからね。兄も苦労をみせないで笑っている人だったけど、美琴ちゃんを見てると兄を思い出すよ。」 そんなこと言われたら、照れる。そんなすごいことをしてきたわけじゃないのに。 「私なんて、毎日必死に過ごしただけなんです。それに祖父母も親戚も本当によくしてくれたから今の私たちがいるので。」 「そういうところに諒太は惹かれたんだろうね」 そういうと諒ちゃんのお父さんは笑った。 は、恥ずかしい… 「もう、お父さんったら~美琴ちゃん、恥ずかしがってるよ。かわいい。美琴ちゃんも鈴音ちゃんも私のこと、おねぇちゃんだと思ってくれていいからね。妹はたくさんいたほうが楽しいし。ね、結子。」 「うん。美琴ちゃんみたいに優しくてかわいいお姉ちゃんうれしい。じゃぁ鈴音ちゃんとは同級生だから…双子みたいなもの?」 双子じゃないだろう~とは思ったけど、祥子さんも結子ちゃんもニコニコと私たちを受け入れてくれていることがうれしかった。 そんな様子を諒ちゃんは笑って見守ってくれている、それがまたあたたかい気持ちになった。
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