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「ふーんって…もうちょっと優しく言ってよ。」
「一番最近のやつはどんなのを書こうとしていたの?」
「オフィスラブ。じつは上司が御曹司で…ってやつを書こうとして、」
「で?」
「実際の私の課長ってさ、見かけがまぁいまいちで…セクハラぎみで…あの人を見ていたら、上司が素敵な御曹司って設定がすぐに頭から消えてしまうのよね…」
仕事中に考えていたことがばれちゃうな…
いつもはしっかり働いているのよ、ただいまスランプで、書けなくて…つい油断すると考えてる。新しい恋愛。じゃなかった恋愛小説。
「逆にさ、御曹司はいるの?」
「御曹司かぁ…飯島社長は35歳のイケメン。」
「じゃそっちからイメージを膨らましてみるとか?」
「で、愛妻家。御曹司っていうか社長の息子は翔太くん、彼も整った顔立ち。将来有望。間違いなくイケメンに育つと思う。ただ幼稚園児。」
源氏物語の男女逆バージョン?
それにしても5歳は若すぎるわ。
「その恋はだめだ。まずいやつよ。」
はい、鈴音の言う通り。
「頭で考えてばっかりだからだめなのよ!美琴、最近いつ恋をした?」
「ん?いつだろう?」
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