第1章 はじまりは

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私が考えてみた恋の始まりのベタなネタと言えば… ①落としたハンカチを拾ってもらい「これ落としましたよ」からはじまる。 あ、だめだ、ハンカチじゃなくていつもミニタオルだ、しかもかわいいカバみたいなキャラクターものの。 これじゃ恋は始まらない。 ②バーにて 一人カクテルを飲む私に「あちらのお客様から」ってやつ。 あ、これも無理。お酒そんなに飲めないし。かっこいいカクテルの頼み方も知らなかった。 知らないことは書けない。 ③朝トーストを加えたまま、走っているとき、角でイケメンとぶつかり恋が… トーストくわえたまま走る人なんて見たことないし。角でぶつかるのは危ないな。 ④朝起きたら…知らない人とベッドの中にいた。 は、は、初体験もまだなのに、それはハードルが高すぎる。 一人でいろんな恋の始まりを考えていたら鈴音が私の顔を見てにこにこと笑っている。 3歳も私のほうが年上なのに、ときどき鈴音に温かく見守ってもらっているように感じるのは気のせいじゃないのかな。
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