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「美琴、まずは会社行って、恋愛対象探してこよう。いなかったら会社から家までの道ですれ違う人も全員顔をしっかり見て探してみて。あと誰かに紹介を頼める?きっとピンとくる人が世界に一人はいる!はずだから…きっと、たぶん。」
「そんなもの?」
「少なくても私の歴代彼氏は、学校、電車の中、よく行くカフェ、大学のサークル、あと友達の紹介で見つけたよ。 」
な、なんか、歴代彼氏の数が多くない?
私なんてまだ0なんですけど。
「美琴はさ、昔から恋愛小説が好きすぎて、本の中で恋愛していたから、だから彼氏ができなかったのよ。とうとう自分で書くようになって、理想の彼氏を自分の作品に投影させすぎ。それで満足してるから、ちゃんと恋愛できないし、書けなくなったんじゃない?」
…
耳が痛い。
たしかにそうなのかもしれない。つい出てくる男の子には理想を追いすぎていた。ま、出てくる女の子も自分と違ってかわいい、健気、優秀とかの要素を盛り込みすぎだけどね。
そっか、恋愛小説を書くために恋愛を始めてみよう。
美琴のそんな心の中の声が聞こえきそうな鈴音はいつも通りそんな美琴を温かい目で見守っていこうと思っていた。
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