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父の死を知ったのは療養施設に入った後だった。
眉間の女の子達は恩人の死に深い悲しみにくれた。
だけど、私にはなかった。
父がいないという実感が湧かなかった。
しかしそれは段々と感じるものだ。
それでも悲しむことはなかった。
逆に怒りが込みあがった。
約束したのに………
一人ぼっちにはしないって言ったのに……
勝手すぎるよ………
怒りは頂点に達し、最後には涙へと変わっていた。
両親を失い、私は一人ぼっちになった。
孤独という恐怖で胸が苦しかった。
それでも薬物の依存は私に容赦なく襲いかかる。
怒り、悲しみ、孤独……
苦しい………
苦しいよ…………
ありとあらゆる感情ががんじがらめになって、心の中を覆う。
その苦しみは想像を絶するものだった。
でもそんな私を助けてくれる人達がした。
眉間で出会った女の子達だ。
彼女達も父という恩人を失い一緒に泣き、励ましてくれた。
彼女達の励ましがなかったら、恐らく私は孤独に耐えかねて酷い結末を迎えてたであろう。
恩人であり私の一生の友達だ。
それともう1人。
私を孤独から救ってくれた人がいる。
私の叔母さんだ。
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