エピローグ

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叔母さんは定期的に北海道まで足を運んでくれた。 最初は父の事に言及することはなかった。 だけど私が落ち着きを取り戻し、真実を求めた時、全てを教えてくれた。 父は最後の復讐の対象者である日下部に殺されたそうだ。 でも父は最後に自分が殺害される映像をパーティー会場に流し、奴の本性を晒した。 結果、日下部は逮捕された。 父は東洋商事の本社ビルの屋上で発見された。 大量の血液が第一資料室から屋上まで続いていたらしい。 何故、屋上に向かったのかは未だ分かっていない。 でも私が聞きたいのはそこではない。 「日下部は今どこにいるの?」 「留置所に決まっているでしょう。漸く裁判も始まった。死体処理業者も捕まって熊澤夜一の死体が発見され、日下部は容疑を認めた」 それを聞いた時、酷く落胆した。 「留置所にいたら復讐なんてできないわよね」 「そうね。でもそれはお父さんが望んだ事よ」 叔母さんは私に諭すように父の真意を語り始めた。 「お父さんは日下部をこの手で殺したかった。でもそれをしなかったのはあなたを犯罪者の娘にしたくなかったからよ。あの男は死刑になるべき人間。だけどそれには血が足りない。だからお父さんが代わりになった。容疑を認めても、2人の命を奪った事実は覆らない。あの男は死刑になる。法律が認めた殺しで復讐を果たす。それがお父さんの本心だったんじゃない」 叔母さんは私の手を握しめて言った。 「お父さんは娘を犯罪者にしたくなかった。復讐なんか考えずに生きて欲しい。そう願ったはずよ。その事だけは分かって頂戴」
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