エピローグ

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それからの私は治療に打ち込み、何とか薬物を克服できた。 北海道の大自然と仲間達との支え合いがなければ上手くはいかなかった。 他の子達も同様だ。 恐ろしい事に薬の依存は治療中、頻繁に起こってしまったがその時の父の事を思い出し乗り切った。 皆にしてみれば父は恩人だ。 恩人が悲しむ姿を見たくない。 その一心を胸に秘め、みんな薬物を克服する事ができた。 療養施設を出た後、私達は増岡の家に住み着いた。 この家は20歳になれば私の物になるし、それまでは叔母が管理する事になっている。 私はこの家から高校に通うことになった。 ただ1年間、休学していたので留年するしかなかったが、それでも何とか無事に卒業でき、大学に進学する事ができた。 これも美々ちゃんが休み期間にノートを取ってくれたお陰だ。 その美々ちゃんはというと両親は離婚。 自宅を引き取り、お母さんの実家に引っ越すことになった。 その頃私は療養施設にいたので、叔母さんが手紙を添えてノートを持って来てくれた。 手紙には父の事を家族総出で精一杯謝罪していた。 正直、胸が傷んだ。 このまま日下部を憎み続ければ、美々ちゃんまで憎む事になる。 日下部は嫌いだけど、美々ちゃんは嫌いにはなれない。 幼い頃から知っているし、高校で一緒になってからも絆は更に深まった。 そんな無二の親友までも嫌ってしまうのか……… 私はただ悩むしかなかった。 そして大学卒業後にある決断をした。
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