エピローグ

6/12
197人が本棚に入れています
本棚に追加
/376ページ
大学卒業後、私は東洋商事に就職した。 保育士になる夢は諦めた。 他にやりたい事が見つかったし、梶原社長にもお世話になったからだ。 後継者争いしている時、社長が父に約束したのだ。 『社長になった暁には娘さんの面倒を一生涯みてあげよう』と。 父の死後、その約束を果たそうと私の面倒を見てくれた。 生活費は勿論のこと、大学への資金援助もしてくれた。 そしてあっという間に10年の月日が流れ…… 商社マンのスキルを身につけた私は東洋商事を辞め、あるNPO法人を立ち上げた。 両親に虐待される子供達を避難場所として匿う支援団体だ。 あの事件で私は孤独を経験した。 眉間でも孤独は感じたが、それとは違う孤独感だ。 あの頃はお母さんもお父さんもどこかで生きていると実感があった。 でも眉間で出会った娘達は既に孤独だった。 両親に見捨てられた娘達が大半だったからだ。 そんな子達を救い、1人じゃないと応援する為にこの法人を立ち上げた。 名前は『フレンド』 友達という意味だが、お母さんの友梨香から1文字もらったのもある。 私は眉間の女の子達を集め、『フレンド』の運営を一緒にしている。 その中には美々ちゃんもいた。
/376ページ

最初のコメントを投稿しよう!