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脱走
「壊れ次第こちらに戻してくれ。変わり果てた大切な玩具が、屋敷の前に転がってた時のあの化け物の表情を見るのが楽しみだ」
「はなせ! くそ!」
暴れるが、まったくビクともしねぇ。くそ! このままじゃやべぇのに!
「悪趣味ですな。ま、逃げねーようにクスリでも打っとくか」
獣族は、暴れる俺の腕を抑えると、どギツイピンク色の液体が入った注射器を刺し、中身を押し入れる。直後、抗えない程の眠気が俺を襲う。
くそ、寝てる場合じゃねぇのに……。
「またな、化け物のペット」
フィンガーの声を聞いたのを最後に、俺の意識は完全に闇へと落ちた。
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