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ぜぃ、ぜぃ……
もう、体力も脳みそも限界。
五十メートル走に絶対音感を試すようなテスト。百ます計算に難読漢字。
クリアする度にわざわざ瞬間移動装置で別の場所にとばされる。
正直、学園の何処に何があるか、把握なんて出来てない。
自分が今、何処に飛ばされているのか、わからない。
身体がついていかなくて、どっと疲れる。
それでもどうにか、それらをクリアした。
じゃんけんじゃなくて、よかった。本当、よかった。
運勝負でやり直しなんて、まっぴらだ。
『クリアおめでとうございます。それでは美結さんにお届けする忘れものを受け取ります。こちらの台の上に置いてください』
AIに言われた通りにお弁当箱を置く。するとたちまちお弁当箱はシュンッと消えた。
『それでは確かに受け取りました。お疲れ様でした』
役目を果たしおえた事で力が抜けてその場でペタンと座り込んだ。
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