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(1)一番初めの峠越え
旧東海道を歩いて、なんの用もないけれど、ちょっと京都まで行ってみよう、と出かけた時のことである。
畑宿に入って,一里塚を見学した。なかなか立派なものだった。
さて,街道に戻ろうと思った時,ふと見たら小径があった。近道のような気がしてそのまま進んで行った。小さな柵があった。それを跨ぎ,キレイな道に出た。
「・・・」
旧街道に戻ったつもりが,ちょっと違うな,と感じた。なんだかさっきまでの道とは様相が一変している。それにちょっとだけど,下っている。でもここからはそういう道なのかな,と思って私は歩き出した。
「・・・??」
でもなんだか車のスピードが速い気がする。さっきまでは宅配と郵便配達のバイクぐらいしか行き交っていなかったのに,突然大型トラックやボックスカーなんかがビュンビュン走って来るではないか。
「おかしいな・・・??」
と思いながら歩いていると,工事人のような人がこっちを睨んでいる。
なんとなく右手を挙げると,納得したように頷き,階段を下りて行った。
「?!」
車列が途切れたところで横断してみた。登りもかなりなスピードで車がやって来る。やっぱりここまで来て下るのはおかしいなぁ,とそのまま戻って行った。パトカーが反対車線を徐行してやって来て,私をこれまた睨んでいる。
右手を挙げて頭を下げると,運転席のポリスも頭を下げ,スピードを上げ走り去った。
「・・・もしかしたらここは・・・」
工事現場に人が立っていて,強烈な目力で私を睨みつけてくる。
ニコッと笑って,
「あのぉ,この道は芦ノ湖には行かないんですかぁ??」
と訊ねてみた。
「fj4%)$”}*GB0jsghk」
という怒声が響いた。
「さっきから&%(YJDXJBJHFLOP>PP8(T%」
「芦ノ湖へは・・・」
「芦ノ湖だぁ!!!」
もの凄い形相で怒っている。
「&*どっから#+>どうやって,~?+この道に=&*入ったんだ!?」
「どっからって,そこの一里塚の裏から」
「一里塚だぁ~ッ!?」
私は道を間違えて,高速道路である箱根新道を歩いていたようだ。
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