さむいひのこと

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寒い日のことでした。 私は乾かない洗濯物と一緒にこたつに潜り込んで、ぬくぬく午前中を過ごしていました。生乾きの洗濯物がようやく乾く頃、私はうとうととして、そのままこたつで眠ってしまいました。 そこは草原のような場所でした。 薄暗い霧の立ち込める広い草原の真ん中で、私はフードを被った男と対面する形で立っていました。 男は言います。 「3回見る夢の中であなたの片割れを見つけなさい」 それだけ言うと、男は煙のように消えてしまいました。 私の手の中にはいつの間にか鍵が握られていました。実際に使える鍵ではなく、アンティーク調の飾りとしての鍵でした。 草原を歩いていくと、目の前に扉が現れました。 鍵は開いています。 私が持っている鍵は飾りなので使えるはずもないのですが、私は扉が最初から開いていることに何だか少しだけがっかりしました。 私が中に入ると、そこは春の部屋でした。 狭い部屋でしたが、春の花が咲いていました。四角い青空は晴れ渡り、舞い散る桜の花びらは美しく辺りを桜色に染めています。 私はわくわくしていました。 視界が白くぼやけて気がつくと、こたつから片足を出した状態で眠っていました。体はぽかぽかと温かく、暑いくらいです。私は1杯の水をごくごくと一気に飲み干しました。そうして、何か忘れているような気がしましたが、すぐにそんなことすらも忘れてしまいました。
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