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「いや、今はその名前で呼んでほしくないな。僕の本当の名前は藤堂駿輔。父親から虐待を受け、母親から捨てられた行方不明の御曹司だよ」
爆弾の残り時間、30秒。
「どうでもいい事を聞くけど、戸神君の今日のラッキーカラーは何?」
「僕は7月31日生まれでしし座だ。8チャンネルの占いによると、ラッキーカラーはブルーだった。ちなみに順位は1位だッ!」
「爆弾処理班に告ぐッ!青いコードを切るんだッ!」
「はいッ!」
爆弾の残り時間、10秒。9秒。8秒。7秒。6秒。5秒。4秒。
――3秒で、爆弾のタイマーは止まった。
Qの見事な采配によって、僕たちは救われた。
「爆弾の解体、終わりましたッ!」
警視庁の報告に、木更津警察署はもちろん、川崎警察署も歓声を上げる。
そして、Qは管轄の枠を越えて警察官によって胴上げをされた。
「これで、僕の復讐は終わったんだな」
「Q。いや、藤堂駿輔。君の復讐は終わったよ」
「そうか。なら、もう僕の御役は御免だな」
「藤堂君、そんなことはない。君の頭脳のお陰で東京連合を壊滅に追い込めたんだ。その頭脳、是非とも警視庁の公安部に欲しい」
「残念だけど、僕は帝都大学の推薦入試を受けるつもりだ。もしも僕が帝都大学に合格したら、最低でも4年間は待ってほしいな」
「ああ、大丈夫だ。その時は全力で君を歓迎するよ」
「ありがとう。赤星刑事」
そして、僕は藤堂駿輔と握手をした。
――明け方の東京の空は、白く輝いて見えた。
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