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After Story Is It You?
2002年1月。
矢野さんはhitomiのとある曲が大ヒットしたことで浮かれていた。
「カバー曲なのにヒットするなんて凄いな。原曲も聞いてみたけど、どっちも格好いい。でも、やっぱりhitomiちゃんのほうが好きかな」
「それ、僕にする話ですか?」
僕はコンソメ味のポテトチップスを頬張る。
「まあ、ド派手な衣装も目を引いたんだろうな。彼女、元モデルだし」
「それはともかくいい曲ですね、サムライドライブ」
「でも僕は矢っ張りOPEN MINDのほうが彼女らしいと思うんだよな」
「そうですか・・・。オタクの話にはついて行けないや」
そんなグダグダとした話をしていると、お客さんがやってきた。
「ちょっと遅くなっちゃったけどあけおめー!」
「藤堂くん、矢野さん、あけましておめでとう!」
それは僕のかけがえのない友達である早乙女花蓮、そして戸神優希だった。
「あの事件以降、歌舞伎町で何か黒い動きはない?」
「ああ、大丈夫だ。けれども、東京連合は半グレ集団の一握りにすぎない。もしも新たな半グレ集団の胎動があれば、また連絡するよ」
「それはそうと、帝都大学の試験勉強は順調?」
「もちろん。順調だ」
「それならいいんだ。きっと君なら合格するよ」
「戸神君、ありがとう」
「ところで、これ食べない?僕の自信作なんだけど」
「おせち!美味しそう!」
矢野さんはこう見えて料理も上手い。このおせちはもちろん矢野さんのお手製だ。
「僕、こう見えて調理師免許も持っていてね。そもそもの話、パソコンに詳しくなったのはパソコン通信で料理のレシピを共有したかったからなんだ。まあ、この話は話すと長くなるからまた別の機会に」
僕たちは矢野さんの特製おせちをたらふく食べた。
――この幸せが、いつまでも続くことを祈って。
2002年2月。
僕は、帝都大学の推薦入試に合格した。
それも、満点での合格だったらしい。
矢野さんに報告すると、泣いて喜んでいた。
「藤堂君、良くやったな!」
「これぐらい当然だッ!」
この事件の後、僕の性格は明るくなったと周りからよく言われるようになった。
もちろん、東京連合への復讐を果たしたからというのもあるが、事件を捜査するうちに出会った人々の影響もあるのだろう。
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