今が尊いのだから

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こんな状態にあるのに認定して貰えないなら、一体全体どんな状態なら認定してもらえるというんだ。 本当に症状が進み、徘徊するようになってからか? 家族がわからなくなってからか? 何も話せない、何も出来なくなってからか? 身の回りの事が出来ても、十分に家族は苦しんでいる。介護認定の審査基準に疑問を持たずには居られなった。 そうして一月程後、父の検査結果が出る直前に介護認定の通知が来た。 要介護2 此れでプロの力を借りられる。安堵とともに涙が出るほど嬉しかった。 だけど戦いはまだまだ続く。ほんの入口に立っただけだと思い知らされるまで、そんなに時間はかからなかった。 もうね、出だしから躓くわけですよ。 そのあたりのお話はまた後で… そして父の告知前に、おかあちゃんがした事の2つ目。 父母の通帳整理。 でね、娘であるおかあちゃんがなんで通帳整理をしなきゃならなかったかですよ。 先ず、母は元銀行員である。そして父は数字に弱い。ってな事で、家計一切合切を仕切ってきたのは母。 その母が認知症になり、どうにか通帳だけは取り上げたが何をどうすれば良いか分からない父。 父はともかく数字がからっきしダメなんです。この上なく悲しいくらいに。以前、そんな父が株にハマった事がありましてね。 もう散々でしたよ。ネット取引なものだから、打ち込む数字間違えるんですよ。それも桁間違えて! それでも儲かりや良いんですけどね。そんな訳ない。とんでもない損害出して母に叱られて止めたんですよ。 その上、今まで銀行に行った回数なんて片手で足りるんじゃないかってくらいだから、窓口行ったって何が何やら分かんないんですよ。 そんな訳でおかあちゃん&妹Nの出番なわけ。 何はともあれ通帳の数を減らし、引き落としは通帳の名義と契約者の名前を揃える事。 通帳みるとね、二十年近く前に母が経営してた会社の通帳まであったんです。 父の検査結果が出るまで 急ピッチでやらなきゃならない事が多くて、焦るあまりおかあちゃんは大きな失敗をしたんです。
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