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同行二人 そうなのだろうか
携えた杖で石の間に支点をつくり、慎重に歩く
杖は姑の形見だ
今も思う どうすればよかったのだろう? と。
いつも同じ
別れは波のように静かに何度も襲ってくる
涙より海水のほうが数倍しょっぱい
いつもどうすればよかったのか問う
大人なんだから 自分で決めるしかない
だから島へむかってひたすら歩く
Go to heaven メロディーをつけて歌おう!
革靴をじゃばじゃばと洗う様にして、果敢に、太った中年の男性は
わき目もふらず歩く
まるで憑かれたように突き進む
彼には、こちら側へ戻る意志の予定も感じられない
あちらには待っている人がいるのだろうか
セイレーンなのか 弁天様なのか
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