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「先生、クリスマスはディズニーランドに行きませんか?」
12月に入っていた。
いつものように仕事の後に先生と会って、カフェにいた。
「希美ちゃん、僕と行って面白いの?」
「先生とだから面白いんです。ねえ、ねえ、先生、行こうよ、行こうよ」
すっかり私は先生の前で甘えん坊。
先生もそんな私を許してくれる。
「うーん、クリスマスは仕事があるから」
「冬休みに入ってるって言ってたじゃないですか」
「演劇部の顧問をしてるから、午後三時過ぎにならないと体が空かないよ」
「じゃあ、先生の家で二人だけでクリスマスパーティーとかは?」
言った途端、ドキドキする。
まだ先生の家には行った事がない。お邪魔してみたかったけど、図々しい気がして言えなかった。今日は思い切ってしまった。
「僕の家?」
「だ、ダメですか?」
「何もないよ」
「ご飯作ってあげますから」
「なんか」と口にして、先生が口ごもる。
「なんですか?」
「いや、希美ちゃんにそこまでしてもらっていいのかと……恋人でもないのに」
恋人って言葉を口にした先生の頬が少しだけ赤くなった気がする。
「えーと、その……友だちみたいによく会うから友だちというか。友だちなら家にも行くし、ご飯も作りますから」
先生に対して友だちというのは失礼だったかなと心配してると、先生が笑った。
「そうだね。友だちって事にしておこうか。わかった。家にしよう」
やったー。先生の家に遊びに行ける。
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