7人が本棚に入れています
本棚に追加
さてこむぎはと言うと、対照的に穏やかな性格をしている。
撫でられたくない時はプイッとそっぽを向くだけだし、足元にいることに気づかず軽く蹴ってしまった時は「にゃん」とかわいい声で鳴いてアピールするだけだった。
寝ている時にらいむぎが首元を噛んできても「にゃーーーーーーーーーーーん」とびっくりするほど長い声を上げただけだった。
(教育的指導をしてもいいと思うのだが、それをしないのがこむぎである)
人間に対してはほぼ1日中甘えモードが標準装備だ。
1番好きな甘え方は、私がテーブルで両手を輪っかにして、その中で丸くなること。大抵手のひらを枕にしている。
ひとしきり寝たら、起きて毛繕いを始める。こむぎは綺麗好きなので隅から隅まで丹念に毛繕いをする。
腕の中で寝かせてくれたお礼のつもりなのか、腕をぺろぺろと舐めてくれる。
そしてまた毛繕いへ。
前足を私の腕に置いて、爪の中まで丁寧に毛繕い。
そして私の腕を舐める。
流れるようにまた自分の足を舐める。
え…?
こむぎ…?
ついでに私のことを舐めている?
もしくは毛繕いをしすぎて自分の身体と私の身体の区別がつかなくなっている?
そう思ってしまうぐらいの流れ作業だった。
(いいんだ、流れ作業でもいいんだ)
舐めてくれることは親愛の証。
そう、それがわかっていれば十分だ。
舐め方は関係ない。舐めてくれること、それが大事。
そう言い聞かせて、今日もこむぎを腕の中に抱いている。
※腕枕をしてもらい、熟睡するこむぎ。私の手はすでに痺れを通り越して無の境地となっている。
最初のコメントを投稿しよう!