冬火

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どれほど、泣いた頃でしょうか。「助けて・・・、助けて」強い吹雪の中から小さな叫び声が聞こえてくるではありませんか。しかし、少し前の物さえ雪に隠され、何があるか分かりません。未明は慌てて立ち上がると、涙を拭い声のする方に一生懸命走りました。 かなり進んだところに、未明は幼い子供が横たわっているのを発見しました。村に戻る途中だったのでしょうか。すでに息絶えだえで未明の声にも応じません。辺りの雪は血で赤く染まっています。可哀想に子供は足を酷く怪我して、これ以上先に進めなくなってしまったのです。頬を青白くさせ、寒さに体を震わせる子供の姿に、未明はさっきまでの自分の悲しみの小ささを恥じて、天に手を合わせ願いました。 「主よ、この憐れな子供の命をお救いください」 すると、神は雲間から顔を出し「吹雪が止めば、次期に助けが来るでしょう」と、お答えになります。 「吹雪はいつ止むのでしょう?」 「日の入りの頃には」 「それでは、この子が凍えて死んでしまいます」 「助ける方法は一つだけあります」神様は僅かにためらわれた後おっしゃられます。「貴方が炎になり、守ればその子の命は助かるでしょう」
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