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『メリークリスマス』
三度目のクリスマスは、沙紀の方から凌雅にメールを送った。メッセージと共に、真っ赤なポインセチアの画像を添えて。
今年のクリスマスは休日だけれど、特に予定はなかった。
すぐに既読がついたけれど、凌雅からメールが届いたのは、数十分後だった。
お決まりのメッセージと共に、今年も大きなツリーの画像。
ソファーに腰掛けていた沙紀は不意に立ち上がり、窓から夕焼け空を眺める。
凌雅は、わざわざこの為にそこへ向かったのだろうか。送られてきたのは、夕日に染まるツリーの画像だった。
一年に一度、たった数文字と画像のやりとりだけだけれど、繋がっていることに安堵して、沙紀の頬を涙が伝った。
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