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今年もまたポインセチアが花屋に並ぶ。
赤と緑のコントラストが美しい。
真っ赤な苞にはゴールドのラメが散りばめられていて、より一層華やいで見える。
FMから流れる曲に、沙紀はふと耳を傾けた。
ポインセチアを送ろう
大好きな君に……
凌雅の声だった。
あの時まだ書きかけだった歌詞にメロディーがついて。
甘く切なく響く凌雅の歌声。
曲を最後まで聞き終え、俯いて店を出た――途端に沙紀の瞳から涙が零れた。
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