光陰

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段ボールにたくさんのCD。ずいぶん長い間、クローゼットの奥でひっそりと、でもたくさんのスペースを取ってそこにある。 そのとなりには、本の入った段ボール。 どれくらいの間開けていないだろう。 洋服に隠れるようにずっとあるそれは、いつも人の後ろに隠れて様子を伺っているわたしのようで、目を合わせないように身を隠してしまっている心のようで、衣替えのたびに、それを見て時が止まる。 「あの本持ってる?」 君がそんなことを言った。 だから久しぶりに、段ボールに手を伸ばす、
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