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* 「どっかいけ。視界から失せろ」 父親の手が、私に振り下ろされる。 「ほんっとうに愚図ね。死んだら?」 母親の足が、私を蹴る。 「邪魔。どけ」 姉の言葉が――あの人達が、私を傷つける。 学校で精一杯明るいキャラを演じて、疲れて帰ると家族からの差別が待っている。 出来損ないの、私を詰る人たち。 いつもどおりの、見慣れた光景。 母親と父親が姉に言う。 「あなたはできる子だから。“あれ”とは違って」 ――暴力を受けているのは私。暴言を吐かれているのも私。 だけど、私は私を捨てて自分の身を守っている。 いつしか何も感じない人形になっていて、それを心地よくさえ感じていた。 いつまでも終わらないなら、それでもいい。それでもいいから、痛みを消して。 そう願って、いた。 それなのに。 劣等感と絶望と悲しみと・・・。ぐちゃぐちゃの私を、あなただけが癒やしてくれる。 本当に、大好きで大好きで仕方ないの。 でも、好きだからってだけで束縛をしてはだめって学んだから。 もう、同じ失敗はしない。 いつもどおりの、いつ終わるともしれないこの日常が崩壊するのには、私が浜崎を好きになってから2ヶ月もかからなかった。 *
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