未来へ…

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正一は事務長の後ろ姿を見送った後… 目元を拭い、ガッツポーズを取る。 「さて、頑張るぞっ!」 気合い充分に廊下を早足で(走ってはいけないので)行く途中… 突然、3m先にあるスタッフ食堂から、美里が腕組みをして登場。 「はうっ!?」 相手の姿を見るなり、正一は急停止した。 「しょう~いちぃ~。 ご飯も食べないで、アンタは、なぁぁ~にお、してんのぉ? コッチ来なさい」 鬼の形相(正一ビジョン)で、美里は手招きしてきた。 (何で、皆、ねぇちゃんを“美人”って言うんだ? 般若の顔ぢゃん… コワすぎて、心臓止まりそ…) 「あぅ、あぅ…は、はぃぃ~」 正一は手招きのタイミングに合わせ。 何かの力で引っ張られる様に、ヨタヨタと近付いていく… 「ホラ、座って」 言われた席の椅子をひき、正一は座る。 「食べなさい」 お茶と丼に大盛りになったご飯がトレーに乗った、“昼定食”を美里は運んできてくれた。 「ありがとうございます!頂きます!!」 元気に返事をし手を合わせる。 …勢い良く食事をする正一の向かいの席に座り。 美里は笑顔で食事の様子を見守っていた… 「ごちそうさまでした!」 食後、お茶をすする正一に、美里はニタッと笑った。 「アンタ、一体、何処行ってたの?」 「ええっと…お金が心配で…その…」 口ごもる正一の額を、美里は痛くない力加減で叩いた。 「へ?」 「施設内で“私の耳に入らない出来事”なんて、無いの。 隠し事なんて、絶対に、無理、だからね?」 「はうっ…」
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