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「三分の一って、一体…」
「半人前以下って事よっ」
「「三分の一人前っ」」
美里の言葉がツボにはまり、周囲のスタッフ達は腹を抱え笑い出した。
「あ、ひっでぇ~、先輩達、皆わらってら」
周囲を見渡し、こぼす正一。
「悔しいなら、早く“半人前”になりなさいっ」
「“一人前”では?」
「“三分の一人前”の上は、“半人前”よっ!
全く、どこかしら、ズレてるんだから!」
「ご、ごめんなさ、い?」
怒られつつも、不思議そうな反応。
そんなズレっぷりに、周囲は更に笑う。
「ホンット、アンタってば…
根っからの、道化師よね」
「へ?」
呆れた顔をしつつも、見詰めてくる美里の瞳は優しい。
「“居るだけで、人を笑顔にする存在”って事。
これは生まれつき持った才能よ。
誰にも真似は出来ないわ」
「ほぉぉ、おいら、すっげ~」
褒められた事に気を良くし、正一はドヤ顔で胸を張る。
が…これも周囲にとっては笑いのツボであった。
「も、やめれ…」
「笑いすぎて、くるしっ…」
「たのむから、めし、くわせて…」
笑い過ぎて苦しそうなスタッフ達。
その様子に正一は悪戯な笑顔を浮かべ…
一番、笑い転げている男性スタッフの前へ。
「せんぱい~、大丈夫っすかぁ?
キャント アイ ヘルプ ミー?」
学校で習ったばかりの英語を駆使し、(美里の前で)格好をつけてみた。
…つもりであったが…
「…それって、もしかして…
『お手伝いしましょうか?』って言ったつもりだったの?」
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