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「可愛い顔して寝てるそうです」
「昨日の仕返しのチャンスだね」
僕らは林に静かにドアを開けて貰って隣の部屋に入り、ベッドに近づいた。兄の寝顔なら見たことがあるし今更驚かないけれど、安定の美しさだ。啓大くんはその顔の真横にしゃがみ込み、兄の名を呼んだ。
「今日大」
「ん……啓大……?」
兄はうっすらと目を開けたが、まだ眠そうだ。
「報告がある」
啓大くんに手招きされて僕も隣にしゃがむと、啓大くんは僕の肩を抱いて言った。
「俺たち、付き合うことにした」
「えー!」
後ろで聞いていた林が叫び、兄が飛び起きた。
「俺たちって啓大と純が……?」
「ああ。純くんの気持ち知ってて応援してたんだろ?」
「うん、そうだけど……」
兄は瞬きしながら僕らを見ていた。
「何、やっぱり反対? それとも上手くいくわけないと思って純くんに適当なこと言ってた?」
「そ、そうじゃないけど驚いて……驚くだろ、俺寝てたんだから、こういうのなんて――」
「寝耳に水?」
「それだ!」
すっかり目を覚ました兄と林に、僕たちはもう少し詳しく昨日2人で話したことを伝えた。
「というわけなんだけど、2人は引き続き応援してくれるよな?」
「ああ。林もいいよな?」
「はい、もちろん」
「くれぐれも学校でアウティングするなよ?」
「ああはい、気を付けます」
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